クロスヘッジ取引、オールオーバー取引 | 法人取引

クロスヘッジ取引

価格変動の相関性の高い別の商品でリスクヘッジする手法

商品先物市場には事業者の皆さんがヘッジしたい商品が先物市場に必ず上場されているとは限りません。しかしそのような場合でも、ヘッジ対象資産と同じような値動きをする先物取引市場があれば、その商品を利用してヘッジすることが可能となります。

このようにヘッジ対象資産と異なる商品の先物取引市場を利用してヘッジを行うことを、「クロスヘッジ取引」といいます。

クロスヘッジの例

● 石油化学工業におけるナフサ

多くの石油化学工業で原料となる「ナフサ」は国内の商品先物取引所では上場されていません。しかしながらその価格推移をみてみるとガソリンと高い相関性があることが分かります。

例えば、仕入価格の上昇に対するヘッジとしてガソリンに買いヘッジをする。大量に抱える原料在庫(ナフサ)に対して売りヘッジをする等の利用方法が考えられます。

クロスヘッジイメージ

● ジェット燃料・天然ガス・重油でも

ジェット燃料を使用している航空会社や天然ガス、重油を使用している企業が原油先物市場でヘッジを行うこともよく見受けられます。

● 貴金属市場ならば

白金系貴金属のロジウムは窒素酸化物を無害化する触媒としてプラチナ・パラジウム同様に三元触媒には欠かせない貴金属ですが、その値動きにはプラチナと高い相関性が見受けられます。

● 大豆油なら

大豆油との相関性が高いのはご存じのとおり原料となる大豆です。

● コーンスターチを原料としてたくさん使うから

それなら原料であるトウモロコシがよく似た値動きをします。

● ゴム市場ならば

例えば、TSRやラテックスなどの天然ゴムであれば東京商品取引所に上場されているRSS3号を利用してヘッジしてはいかがでしょうか。

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ロール・オーバー取引(ローリング・ヘッジ/スイッチ取引)

決済期限を繰り延べる手法

ヘッジの期間を延長するために行う取引のことをロール・オーバー取引とよびます。

ヘッジする期間が長期間の場合に限月を複数回乗り換えて決済期限を繰り延べることで、長期間のリスク・ヘッジと同じ効果を得ることを目的とします。一旦建てたある限月のヘッジポジションを手仕舞いし、目標価格確保が可能と思われる期先の限月へもう一度同様のポジションを建て直すもので、現物ポジションを動かさずに、先物ポジションを入れ替えるコストだけで、新しいヘッジ・ポジションを組成することができます。

例

  1. ① 取引期間が最も長い7月限(先限)に買建玉をする。
  2. ② 7月限を転売(売決済)するのと同時に9月限(先限)に買建玉をする。
  3. ③ 9月限を転売(売決済)するのと同時に11月限(先限)に買建玉をする。

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ヘッジ取引におけるリスク

現物価格と先物価格が全く同じ動きをするわけではありません。また、例えば以下のような理由により、意図したヘッジ取引が行えないことがあります。

  • ヘッジ対象資産の現物価格と、先物価格が正確に一致しない可能性がある
  • 商品をいつ購入もしくは売却するか、およその期日しかわからない
  • 納会日以前にヘッジ取引を決済しなければならないときもある

ベーシスリスク Basis risk(現物取引での損失(利益)と先物取引での利益(損失)が相殺されないリスク)

ヘッジ対象資産と先物市場の原資産が全く同じ場合は、現物価格と先物市場の受渡値段は一致し、ベーシスはゼロになるはずですが、納会日以前には需給バランスや保有便益(コンビニエンス・イールド)の変動などにより、ベーシスはプラスにもマイナスにもなりえます。また、現物と先物の原資産が違うクロスヘッジの場合は、ベーシスリスクは通常大きくなります。

ベーシスが生じる要因

  • カレンダーベーシス
    ヘッジ対象玉とヘッジの価格決定の時間の差に伴う価格差
  • 地理的べーシス
    現物取引と先物取引の受渡場所の違いから生じる価格差
  • 品質ベーシス
    ヘッジ対象資産と先物市場の原資産との品質や等級の相違から生じる価格差

このようなベーシスが発生することにより、ヘッジ取引の損益も変化することになります。

特にクロス・ヘッジ取引の場合はベーシスリスクが高くなる傾向があるため、ヘッジ比率を調整することにより、このリスクをできる限り小さくする必要があります。

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